千葉東部新聞

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安倍首相 FNNの番組生出演 夕方のみんなのニュースで安保説明

 安倍晋三内閣総理大臣=60歳、東京都渋谷区富ヶ谷1ノ30ノ29=はきょう、フジテレビで放送されているFNN系ニュース番組「みんなのニュース」に生出演し、安保法案を自ら説明し国民の理解を求めた。

 安倍首相は16時50分頃、緊張した面持ちでスタジオ入りした。スタジオにはゲストの久米田るり子さんや長島昭浩さん、ロバート・キャンベルさんや反町理さんなどが出演、安倍首相に直接疑問をぶつけた。

最初は支持率低下について質問、厳しい数字ですねと相槌

 安倍首相は同番組のアナウンサー、伊藤利尋さん=42歳、兵庫県神戸市須磨区出身=と向き合う形で座り、まず伊藤アナウンサーは支持率について質問した。18~19日にかけて実施したFNN世論調査の結果は支持すると答えた人が39・3%で6・8ポイントのマイナス、支持しないと答えた人が52・6%で10・2ポイントのプラスとなった。

 これについて安倍首相は「厳しい数字。その中で我々も一生懸命国民の皆様に平和安全法制を理解していただけるように努力を重ねていきたいと思う。政策全般にわたってしっかりと進めていくことによって国民の皆様のご信頼を回復したいと思う」とコメント。首相を支える支持率の低下はやはりこたえているようだ。

 続けて、支持率が下がる背景に平和安全法制があるとお考えかという質問に対して「やはり平和安全法制に対しては残念ながら支持が低い。理解が進んでいないと言う中にあって厳しい結果になったのかと思う」と答えた。

 首相本人も安保法制が支持率低下の足かせとなっていることは自覚しているようだ。

つづいて新国立競技場白紙撤回について質問、その背景は

 白紙撤回の決断の背景を教えてくださいという質問に対して「オリンピックは国民みんなの祭典、国民の皆さんやアスリートたちに祝福される大会でなければならない。その中において新国立競技場が今までの計画においては大きな反対があったのは事実。そこで2020年のオリンピック、パラリンピックまでに完成させなければならないという課題はあったが十分に間に合うと言う確信を得ることができたので白紙から見直しをしていく。主役は国民皆さんお一人おひとり、国民の皆さんに『オリンピックやってよかったね』と思って頂けるような退会にしていきたい。」と、若干蛇足ぎみだが、十分に間に合うという見込みで撤回したとのこと。

 反対の声を無視できなくなったのかという質問に対して「オリンピックは国民みんなの祭典、アスリートの皆さんもこういう競技場では国民に感動を与えることはできないのではないかと言う声があった。それではみんながオリンピックに向かって成功させようと言う気持ちにならない。これがやっぱり一番大きかったと思う。」と反対の声があったことを肯定した。

 続いてコストカットについて質問があったが、それについての回答はなかった。

 最後に新国立競技場の白紙撤回について、世論調査の結果が提示された(FNN調査かどうかは調査期間と調査元の記載がなかった)。新国立競技場の白紙摘果について大いに評価すると答えた人が49・1%、やや評価するが34・8%、あまり評価しないが9・7%、全く評価しないが5.6%、政府に責任があるかについては大いに責任が45・9%、やや責任が37・0%、あまり責任ないが10・1%、全く責任ないが4.7%。

競技場の責任はだれに?

 (下村文科相、遠藤五輪相、森会長、舛添都知事の)誰に責任があるかについて、誰とも言わず自分に責任があると語った。

ようやく本題に

 長い前置きをおき、ようやく肝心の本題である安全保障関連法案の話に移った。

 安倍首相は「よく戦争したいんですかと言われるんですね。戦争法案とも言われています。これ全く逆でむしろ戦争を未然に防ぐための法制なんです。言ってみれば戸締りをしっかりやりましょう、町内みんなで協力して戸締りをやっていきましょうという法案であって、だれか特定の泥棒を(聞き取れず)…しようと言うことではなくて、しっかりと戸締りをしていこうという、この法制を今進めているということで理解をしていただけるように説明をしていきたいと思ってる。」と力強く答えた。

 理解が広まっていないという認識はありませんかと質問に対して「ある種のイメージを貼り付けられてしまった。ずいぶん誤解もあって今最初に申しあげたように戦争法案とか、徴兵制とか、これ全部間違ってます。」ときっぱり否定した。続いて「間違っているということを、次の参議院の審議を通じて分かりやすく説明をしていきたい、ただあの国会の議論はどうしても法律論、憲法論に偏りがち、なかなか一般の皆さんにはわかりにくい議論になっている思っているので、そういう意味で今日、番組にも出させていただき、出来る限りわかりやすく説明をさせていただきたいと思う」と語った。

国民100の疑問

 一般市民から集めた100の疑問、その中には「アメリカから言われたからなのではないか」、「メリットデメリットをはっきり知りたい」、「どうしてこんなに焦っているのか」と疑問。その中には「解釈を飛躍させ過ぎでは」、「国民の8割は反対なのになぜ」、「名前を残したいからやってるの」と厳しい疑問もあった。

 安倍首相は最初に「なんでそんなに急ぐのと、こう言われる。それは先ほど申し上げたように戸締りをしっかりしていこうと。」続けてたとえ話を使い「かつては雨戸だけ締めとけばよかったんです、雨戸だけ締めとけば泥棒を防いで自分の財産、家に置いといても守ること出来た。今はどうか。"振り込め詐欺"なんて電話がかかってくる、それへの対応もあるし、口座が電子的に盗られてしまうという事態にもなっている。そういう事態に備えていなければいけない。たまたま今何も起こっていないかも知れない。でも備えていなければそういう事態が起こるかもしれない。まさにそうした戸締り―国民の命や自由や幸福を守る為には今からしっかり備えをしていくことによってなにか邪(よこしま)な考えを持っている人は、日本を侵略するのはやめとこうと言うことになっていく。未然に防ぐための法律は、安全保障環境厳しくなっていますから、私は政治家の責任というのは、国民の命や幸せな平和な暮らしを守ることですから、その責任を果たさなければいけないと思っているんです。」と続けた。

たとえ話で分かり辛く…

 先ほど安倍首相は泥棒のたとえ話を使って安保法制の話をしたが、正直に言うと逆に分かり辛くなった。どんどん分かり辛くなっていく。口座が盗られて…のくだりは恐らくサイバー攻撃を想定した話だろうが、なんだかはっきりしない、安保法制においてはどの様な事態でどの様な場合なのか、それがわからないはっきりとしないもやもやとするたとえ話をしてしまった、だから国民は更に疑問を抱いてしまう。泥棒と言うのも具体的に何なのか、どこを敵と仮定しているのか。欲を言えばその点への言及が欲しかった。

 その後、自民党の宮川議員の講演会の対談の様子が映されていたが、支援者からも「もうちょっとわかりやすい説明をしてもらえれば若い人たちも違ったのではないか」と手痛い一言。

週末の各地、無関心の市民

 安保法制への国民の理解がどれほど進んでいるのか、FNNの調査の様子が映されていた。週末の新橋、記者がサラリーマンに質問しても安保法を気にする様子はなく、そのうち(安保法についての)質問に答えた20代のIT関連のサラリーマンは「あーなんか戦争なのかなー」と一言、内容については知らない様子。

 生活が第一の労働者には仕事と娯楽が課題だ、とてもじゃないが政治に現を抜かす暇はないだろう。

 その他にも各地でアンケートを行っていたが、安保法制の理解は到底進んでいるとは思えず。中には「国会の中だけで勝手にやっている感じ」、「なんであそこで強行なのか、みんなの意見をもっと聞くことはできなかったのか」と厳しい回答も。庶民の関心は向いてない。

 関心がない事にも無関心でいられないのではという質問に対して安倍首相は「国会の論戦がですね、先ほど申し上げましたように憲法論や法律論、日本の場合は中々…安保制作論にはならないんですね。法律論。日本の場合は制作論と言うよりも国会を通じて法律論だいたい法律論、憲法論の議論が中心になります。世界においては大体安全保障制作論なんですが、あの、どの様に日本を守るのか、世界のこの安全保障環境このように変わったと言う分析はですね、それからどの様に対応していくかと言う議論になるんですが、法律との関係はどうなのかと言う議論でありますし、またあの限界事例についてのですね、議論を細かく詰めていきますから、これは中々見ている方々にとって理解しにくいと。それを国会においてわかりやすく説明をするとですね、このいわば説明、質問に対して正確に答えていないと言うことになってしまいますので、なかなかそこが難しい点なんですね。」と明後日の方向に答えた。

110時間の議論も理解されず、その理由は

 110時間やっていると言っても事実8割の方が理解されていない、と言う質問に「あの110時間やってるんですがね普通は6:4位で与党と野党で時間を分けるんですが9対1だったんですね、今回は。なるべく野党の皆さんに質問して頂こう、そうするとわかりやすく説明をするためには与党の人とのやりとりにおいてですね、わかりやすく解説していくって事がほとんど、実は7時間の間に45分くらいしか自民党公明党で取れないんです。」と野党の責任に。参議院では与党の時間が増えるので、色んな角度で説明するチャンスがあると続けた。

強烈な風刺画を やくみつる

 ゲストとして出席していた漫画家のやくみつるさんは風刺画を使って質問。「総理は支持率と言う鉄帷子の様な強固な衣服をまとっていたが、ここに来て大逆風の熱風が吹き荒れている。そうすると鉄帷子と思っていた服もちぎれかけている。これが進むと裸のソーリになるのではないか」と強烈な風刺。続けて「確かに自民与党の皆さんは盤石な総理を自分たちは頂いているんだと思うかもしれないが、ものの本質を見てしまう御子たちはあっ総理ハダカだと。御子たちはもしかすると将来派遣するかもしれない自衛官かもしれない、そういう御子たちが本質を見抜いてしまうとこれは危険だなと(政権が渡れば)ひっくり返されてしまう前兆かも知れないと思いますね。」と風刺、それに対して総理は「支持率だけを大切にするのならこの法案を通そうとは思わない。支持率の為ではなく支持を頂きながらやっていきたいと思うし、先輩もそうだった。日米安保の時もそうだった。でも今は9割の方が日米関係は大切だと言ってくれている。PKOにおいて自衛隊を派遣するときも大きな批判があった。当時の宮沢政権も相当な批判に晒された。支持率が大切だからとやめたら本末転倒。人気だけの政権になってしまう。理解されていないのは事実だ」と祖父の岸政権とPKOを持ち出して答えた。

2に続く